<裁き星のすすむ>
彼がたどり着いたのは、「裁き星」と呼ばれる星でした。このロケットは、死者の魂を黄泉の国へと運ぶ使命を持つ物体だったのです。やがて明らかになったことは、死者が「裁き星」に到着すると、裁判長の指示によって「凍てつく星」か「忘却の星」へと送られるということでした。そして、妹のふう子は既に「忘却の星」へと旅立っていることがわかりました。すすむは悲しみを胸に抱きながらも、ふう子が美しい「忘却の星」で幸せに過ごしていることを知り、少しだけ心が安らぎました。「裁き星」の裁判長は、人間が生きたまま(!)ロケットに乗ってやってきたことに大変驚きました。彼は少年に、地球に戻るよう強制します。しかし、すすむ少年は命を懸けてまで妹に会いたいという熱意を持ち続けており、その熱意は裁判長の心を揺るがしました。ついに裁判長は、すすむ少年が生きたまま忘却の星に送られるという特例を許しました。彼はすすむ少年に対して深い理解と共感を示し、彼が妹と再会できることを願いました。そして、裁判長の指示のもと、すすむ少年は生きたまま忘却の星へと旅立ちました。彼は地球を離れ、未知の宇宙へと飛び立つ勇気と決意を持っていました。妹との再会を信じて、彼は新たな冒険の旅に身を投じたのです。
<忘却の星のすすむ>
「忘却の星」は、一年中温暖で花々が咲き乱れるパラダイス星。底抜けに明るい性格のプッチ―大統領が統治していて、すすむ少年は大統領にすぐに歓迎されました。そして、妹を見つけるために大統領の助けを借りることになります。しかし、この星の人々には一つだけ、すすむにとっては難点とも言える大きな特色がありました。それは、前世の記憶が完全に欠落している、ということです。ふう子も例外ではありませんでした。公園で遊んでいる妹に再会したすすむは喜びに満たされましたが、ふう子は彼が兄であることに気づくことはありませんでした。彼女は友達と明るく笑顔で遊び続け、すすむの前から立ち去っていきます。がっかりしたすすむ少年を精霊たちが慰めます。銀河のかなたにある「プラチナ国」には、「メモリー花」という花があり、その香りを嗅ぐことで記憶が戻る、と彼らは教えてくれました。すすむ少年は希望を取り戻し、「メモリー花」の情報を得るため、動植物に詳しいボタニクス博士に会いに行くことを決意します。博士は周囲から扱いにくい人物として煙たがられていましたが、すすむは賢明にも博士の好意を引くことに成功しました。博士は喜んですすむに「メモリー花」についての詳細な情報を教えてくれました。その花は「プラチナ国」にしか存在せず、記憶を呼び覚ます力を持っているとのことでした。すすむ少年は勇気を出して、危険を伴う「プラチナ国」へ向かうことを決意しました。彼は妹の前世の記憶を取り戻すため、未知の国への冒険に身を投じる覚悟を持っていました。
<プラチナ星のすすむ>
プラチナ星の「プラチナ国」に侵入したすすむ少年は、新たな難問に直面します。美しいが気難しいプラチナ女王は、すすむ少年に試練を与え、それを乗り越えなければ「メモリー花」を手に入れることはできないと告げます。すすむは激しい試練に翻弄されながらも、勇敢に立ち向かいます。最終的にプラチナ女王はすすむの勝利を認め、「メモリー花」を手に取ることを許可します。
<忘却の星のすすむ>
「プラチナ国」から「忘却の星」に戻ったすすむ少年は、妹のふう子に「メモリー花」を嗅がせると、彼女の記憶が蘇りました。喜びに包まれたすすむ少年は、ふう子と一緒にすぐにも「忘却の星」を飛び立つことを決めます。しかし、協力してくれたすべての人々に感謝を告げることを忘れませんでした。彼は心からの感謝の意を伝えながら、ふう子とともに忘却の星を後にしました。
<地球上のすすむ>
「あれっ、さっきまでいた原っぱだ。ぼくは夢を見ていたのだろうか?」と目を覚ます、すすむ少年。がっかりしながら家に戻ると、家族は悲しみに包まれ、妹のふう子は相変わらず死んだままでした。果たして、すすむの冒険の旅は夢だったのでしょうか。そしてすすむは、ふう子を救えなかったのでしょうか。